12.まずは自分を大切にしよう

大学編

心の奥底から湧き上がるもの

ひとしきり泣いた私に、松島さんが続けた。

「妹さんのことを助けたいと思うのなら、君自身がしっかりしないと。君自身が幸せじゃないと、助けられないよ。」

「必ず、『兄さん助けて』という日が来るから、その日に向けて、自分自身がしっかり成長していかないと、いざという時に、結局助けられないよ。」

ゆっくりと、噛んで含めるような話し方で、私の心に染み込むように。

頑張ろう。

自分で自分を駄目にしてはいけない。

まずは、しっかり大学に通おう。

苦労して入った大学じゃないか。

妹がどうあろうと、俺は俺の人生を生き切るんだ。

そんな想いが、自分の心の奥から、ふつふつと湧き上がってくる感覚を、今でも覚えています。

希望はいつも、自分の心の中に、自分で描いていける。

状況や環境がどうあろうと、そして人がどうあろうと

要は自分が、どうかである。

大学に通えるようになる

松島さんのおかげで、自暴自棄な日々から抜け出し、少しずつ大学に通えるようになった。

大学2年の後期から必死の追い上げ。

年間の履修単位の上限があるため、逆算すると、既に4年間での卒業はできないことが判明。

しかも、夕方の講義も履修していかないと、5年でギリギリ卒業できるかどうかという状況であった。

夕方の講義に出るには、一旦夕刊の配達が終わった後に、また大学に戻る必要があった。

原付バイクで片道30分の道のりを1日2往復。

なかなか体力的にしんどかったので、途中からボロい車を購入し、車で大学に通うようになった。

幸い、住み込みでの新聞配達の稼ぎは良く、学生にしては良い暮らしをすることができた。

絶望的な挫折から立ち上がり、大学卒業と、妹との再会を祈る日々。

妹との再会は、比較的早い段階で訪れることになる。

【ホームレス高校生~大学編~ 終わり】