9.後悔の日々

大学編

俺は、なんということをしてしまったのだろう。

傷害事件に遭って傷付いている妹に、平手打ちをするなんて。

最低の兄貴。

いや、女性をひっぱたくなんて、男としても最低だ。

俺なんて、マトモに生きる資格など、ない。

毎日毎日毎日毎日毎日

後悔後悔後悔後悔後悔

茉奈は一体どこに行ったんだろうか?

お金が尽きればそのうち帰ってくるだろうとタカをくくっていたが、1週間経っても、1カ月経っても、茉奈は帰って来なかった。

携帯電話は、いつしか現在使われていないというアナウンスに変わった。

ある日、ぼんやり見ていたテレビのニュースで、未成年者の家出の特集をやっていた。

モザイクがかかった顔に声が変声されている女の子が、

「どこにも帰る場所がなくても、全然生きていけます!」

と、気丈に話している映像が流れた。

「もしかすると茉奈じゃないか!」

そんなこと、分かるハズもない。

その日依頼、モザイク越しに話す女の子の映像が、トラウマに。

彼女の浮気で落ち込む。

一念発起して妹を引き取ったが、うまく想いが伝わらずすれ違い。

そして妹は、自分の暴力のせいで行方不明。

毎日、自己嫌悪で、死にたかった。

大学に行く気が起きない。

でも、クソ寒い、冬の夜中の新聞配達は、逃げられない。

大学を途中で辞めると、前借りした学費を返済しないといけないという、ペナルティがあったので、辞めるに辞められない。

ただただ、朝刊と夕刊の新聞配達と集金だけをこなす毎日。

大学に通うお金を捻出するために新聞配達をしているハズなのに、大学に行けない惨めな自分。

こうして、大学1年の後期課程20単位の内、2単位しか取得できなかった。

そのみっともない通知を見ながら、

「俺は一体、何のために生きているんだろう。」

「俺の人生って、一体なんなんだろう。」

そんな感情が、延々と心の中で渦を巻いているだけだった。