11.挑め!入試!

大学入試編

 入試は3日間に亘って行われました。

 順に、法学部、経済学部、経営学部。

 第1志望の法学部、数学の問題で、全く分からないのが2つあった。多分厳しいだろう。

 第2志望の経済学部、英語の長文が難しくて、多分厳しいだろう。

 第3志望の経営学部、国語の現代文で、試験前に確認していた『漢字の読み書き問題』、ドンピシャで出た!しかも、数学の文章問題、数日前にやった微分積分の演習問題と、ほとんど同じ内容!

 現文50点のほうは結構できた。だが、古文を選択して解き進めるも、古文が超難しくて、さっぱり分からない。

 「マズい。法学部と経済学部多分落ちた。もう、経営学部受かるしかない。どうしよう。」

 私は受験勉強の時間があまり確保できなかったので、『断然古文』と決めて、漢文は一切受験対策をしていませんでした。

どんな時もあきらめてはいけない

古文が全然解けなかったため、時間と答案用紙の空欄がいっぱい余ってしまった。

頭を抱えながら、ダメ元で漢文をチラ見。

おや?この漢文、なんか見たことないか?

記憶は定かではないが、中学か高校の授業で、習ったことのある漢文。

『読める!読めるぞ!!』

『ははははは。人がゴミのようだ。』

しょうもないネタは置いといて、なんと漢文のほうの答案を、全部埋めることができました。

慌てて古文の答案欄を消しゴムで消していたら、タイムアップ。

エスプレッソをブラックで飲んではいけない!

試験後の夕方、S先生が、「コーヒーでも飲もうか」と、喫茶店に誘ってくれました。

喫茶店など、入ったことがなかった私は、パッと目に入った、『エスプレッソ』を注文しました。

「で?3日間どうやった?」

「法学部は全然ダメだと思います。経済も自信ないです。経営がギリギリ引っかかってるかどうかです・・・。」

「でも、どうあれ、今日までやり切ったな!悔いはないだろう?」

「はい。とても清々しい気分です。夜の街を彷徨っていた時とは、比べられない気持ちです。挑戦して良かったです。悔いはありません。」

「いやいや、まだ結果は出てないんだから。希望を持って。」

「そうですね。落ちたらどうしようかとか考えると苦しいので、何かを考えるのは、結果が出てからにします。」

そう言いながら私は、『エスプレッソ』の小さなカップを、一息で飲み干しました。

『げげ!なんじゃこの恐ろしく苦いコーヒーは?』

私はコーヒーを飲む際は、ブラック派なので、店員さんが持ってきたエスプレッソ一式を見た際、

「ミルクなんかいらんのやけどな?てか、コーヒーよりミルクのほうがデカいって、どういうこと?まあええわ。」

なんて、ぼんやりと見ていました。

小さなエスプレッソカップを空けて、なんか苦いだけで量も少ないし、えらい損したなと思いました。

次の日、私は、キリキリと痛む胃のせいで、丸一日、動けなくなってしまいました。

どうやら、エスプレッソをブラックで飲んで、胃がやられてしまったようでした。

果報は寝て待て

入試の結果発表は、確か1週間後だったと記憶しています。

ですが、私、もうやり切った感で胸がいっぱいで、

「試験の結果なんて、どうでもいい。もし落ちたとしても、この大学に行きたいという気持ちは、だれよりも強いんだ。」

という心境でした。

なので、試験発表の日、普通に寝ていました。

夕方頃、電話に着信があることに気付いて、留守電を確認すると、それはs先生からの電話でした。

『経営学部、受かってたでーーーーーー!!!』

すぐにS先生に折り返しの電話を入れました。

「なんや、人が折角大学に問い合わせて合格を確認してやったのに、電話でないとか、なにやっとんねん?」

「すみません。普通に寝てました。」

「わっはっは。余裕だな。大した神経だわ。」

「ええ。でも、先生・・・・・」

「泣くなや弱虫が~。さあ、ウッカリ受かってしまったんやから、さて、カネ、どうするか考えんとな!」

そうだ。うれし泣きをしている場合ではない。

学費、どうすんの、俺???