12.そして、大学へ

大学入試編

まさかの志望校合格。

元々、中学、高校の成績は、そんなに悪いほうではありませんでしたが、高校3年の夏休み前にホームレス高校生になり、一人暮らしを始めてからも、生活費を稼ぐために、週6でアルバイトをしていました。

塾にも行かず、家庭教師もいない。(Wさんが英語の先生だったので、Wさんが家庭教師か!)

1日の勉強時間なんて、毎日22時までバイトをして、帰宅後23時~1時くらいのせいぜい2時間くらい。

決して偏差値の高い大学ではありませんでしたが、そこそこ知名度のある大学だったので、同級生で同じ大学を受けた友人が他に5名くらいいましたが、受かったのは私だけ。

逆境や環境を跳ね返した、人生を変えた『成功体験』となりました。

心の力

受験の合格発表までの約1週間、私は、

『受験の結果など、もうどうでもいい。俺は、自分の不幸な境遇に、”心”で勝ったんだ。』

『今後、どんな苦しいことがあろうとも、決して諦めずに生きていこう。』

合否云々ではなく、環境や状況に対する、自身の心の在り方を、客観的に見下ろすことができました。

また、

『時間が沢山あれば良い勉強ができる』わけではない。

『時間は効率と生産性』が肝要であるということを、この時無意識に体験することができました。

このことは、私が今後、経験する、様々な『心を折られるような辛い出来事』を、すべて跳ね返していく、原動力となっていきます。

学費はどうしたの?

『心を制することができた』

とはいえ、それだけではお金は出てきません。

学費をどうするのか、という『現実』が、私を襲いました。

I先生に相談しようと、生活指導室に入ろうとした際、生活指導室の入り口の壁に貼ってある、1枚のポスターに、目が釘付けになりました。

『あきらめないで!働きながら、大学に通う方法があります』

なんて素敵なキャッチコピー。

経済的に大学進学を諦めるようなことがないよう、『あきらめないで』と呼び掛けてくる。

I先生に相談する前に、答えが出てしまいました。

「先生!このポスターなに?」

「ああ、その方法があったね!私も毎日このポスターの前歩いてるけど、案外目に入ってないもんだね。」

新聞奨学生という制度があります

新聞奨学生というのは、大手新聞社が社会貢献人材確保)のために長年取り組んでいるものです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E8%81%9E%E5%A5%A8%E5%AD%A6%E7%94%9F

昔は、ほぼ「奴隷制度」に近い労働環境だったようですが、私の時代は、随分待遇が改善されていました。

朝刊と夕刊を配達して、集金も引き受ければ、手取りで毎月12万円くらい支給されます。

寮費は基本かからず、まかないが朝晩出て月3万円くらいだったと記憶しています。

しかも、この制度に申し込むには、『原付免許』を持っていることが推奨されたのです。

なんの気もなく取得した原付免許。

こんな形で役に立つなんて!

友人O君、原付免許取得に誘ってくれて、ありがとう!

新聞奨学生は大変

確かに、業務内容はかなりしんどかったです。

毎朝2時頃起床し、約400部くらいを配達。

6時頃配達が終わる。

それから大学に行き、夕刊のために14時半までに戻らないといけない。

集金があれば、夕方も時間を割かないといけない。

休みは週1日、基本選べない。

いやー若さでなんとかやり切りましたが、同じことをもう一度やれと言われたら、とてもできませんね。

ともあれ、金銭的な問題も解決し、晴れて西日本のとある田舎町から、"花の都大東京"に上京することとなった私。

「新しい環境で、俺は自分の力で幸せを勝ち取っていくんだ!」

なんて、希望に満ち溢れていました。

ですが、ここまでの私の苦労は、ほんの序章に過ぎないのでした。

自身の数奇な運命に追いかけられながら、

ただ、『前へ!』『前へ!』

立ち止まったら、己の運命に飲み込まれてしまうぞ!

座右の銘太郎よ、立ち止まらず、走り抜け!

大学受験編 【完】