4.Yさんとの別れ【その2】

大学入試編

 Yさんに電話をしました。

 「Yさんと結婚して、男として幸せにできる自信がありません。ごめんなさい。」

・・・

・・・

・・・

  Yさんは、

 「そっか。私、振られちゃったね。」

 と、上擦った声で笑っていました。

 Yさんと付き合うことになってから、会えなくなるまでの間は、本当に幸せでした。

 Yさんのことをどんどん好きになっていって。

 思い出が増えていって。

 相性良かったんだと思います。

 会えなくなってからは、Yさんへの想いが更に募っていきました。

 会えないから、

 「会いたい」

 という想いがどんどん強くなっていって。

 Yさんと別れて、一人で生きていって、俺の人生、いったい何の意味があるんだろう。

  私が、更に生きる気力を失ったのは、言うまでもありません。

 ですが、当時の自分に言いたいことがあります。

 「ごちゃごちゃ言ってないで、黙ってYさんを抱きしめにいけやゴラァ!!!!!!」

 20年近く前(執筆時2019年から)のことなので、ちょっと記憶が曖昧なところはあるんですが、とにかく高校すら卒業できるかどうか分からない当時の自分に、家庭を持つということがイメージできなかったのです。

 それと、自分にもあのダメ親父の血が半分通っているということが、なんだか呪いのように心に重くのしかかっていました。

 稼ぎのいい年上のカミさんに頭が上がらないというのが、本能的に嫌だったのかもしれません。

 母親の地雷に、

 「俺の人生、もうどうでもいいや。生きるの面倒くさ。」

 と、ヤケを起こしていました。

 こうして私は、更に更に沼の底に沈んでいったのでした。

 地獄の底には、底なし沼がありました。

 ただただゆっくりと沈んでいく心。

 「心の地獄」という沼からは、簡単には抜けられない。