1.妹からの電話

人生立て直し編

知らない番号からの着信

それは大学2年後期の初秋

学食で、『いつもの』スペシャルうどん(自分で勝手に命名)を食べている時だった。

スペシャルうどん、何がスペシャルかというと、かき揚げ、卵、油揚げを全部トッピングという、貧乏出身の身としては、贅沢し過ぎて爆発してしまいそうなうどん。

生まれながらの貧乏性で、『贅沢は敵!欲しがりません、勝つまでは!ビバ、貧乏!』と、いつもいつも『かけうどん』(200円)ばかり食べていた。

ある日、学食のキャンペーンで、トッピングが10円というのがあって、ついつい、フルトッピングをしてしまったのが運の尽き。

ダシで次第にトロけていくかき揚げ

全体をまろやかな味に変える卵

そして、何モノにも染まらない不動の油揚げ

うどん三種の神器が織りなす、『天のもたらすハーモニー』

全米が泣いた。

いや、私の体の37兆だか、60兆だかの細胞が、感動に打ち震えた。

よし、俺、頑張れる。

『スペシャルうどん』と名付け、毎日コレ食うために、大学通おう。

かけうどん200円→スペシャルうどん390円也。

それでも安いね。

おっと、そんなうどんの話は置いといて(^_^;)

電話の相手は茉奈だった。

「心配かけてごめん。ちゃんと生きてます。」

良かった。

生きていてくれさえすればいい。

どんな状況に陥ろうとも、生きていれば、何度でも立ち上がれる。

スペシャルうどんを啜る箸を止め、涙を堪えながら、茉奈の近況を聞いた。

「兄さん助けて欲しい」

うちを出た後、夜の街を徘徊している時に出会った相手と同棲していたこと。

その相手は、お笑い芸人を目指して大阪から上京した同年代の男だということ。

(お笑い芸人目指して大阪出るって???まあいいか。)

最近その彼氏との間で、お金のトラブルで困っていること。

兄として、何がしてやれるだろうか。

まずは、茉奈に会って、話をしよう。

冷めたスペシャルうどんを急ぎ胃袋に流し込んだ。